ナズナ

昨日に続き、お天気は良くても風が強く吹き、寒いです。
三月は風が強い日が多いもの・・そうですね・・。
でも強い風はやっぱり勘弁してよ~(泣)

さて、きょうは道路際に咲いていた「ナズナ」をお届けします。

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撫でたいほど可愛い花の意味、撫菜(なでな)からナズナに、また、
夏になると枯れること、つまり夏無(なつな)からナズナに等、
諸説あるようです。

三角の実の形が三味線の撥(ばち)に似ていることから、また、
「ぺんぺん」は三味線を弾く擬音語から、別名はぺんぺん草、
あるいは三味線草と言います。

昔、よく子どもの草花遊びに使われました。
ここで<ぺんぺん太鼓>の作り方を紹介します。
三角の実を茎から切らないように順に下に引き下げます。
ブラブラになった実を耳元で、でんでん太鼓のように、クルクル
回すとサラサラと音をたてます。

草丈は10~ 40センチ程。花期は2~ 6月。

4枚の白い花びらを持つ直径3ミリ程の小さな花を多数付けます。
下の方で花が終わって種ができる間も、先端部では次々と蕾ができて
花が咲きます。

花は直径5ミリ程の十字形の花です。
がく片4枚、花びら4枚、雄しべ6個、雌しべ1個でした↓

実は長い柄のある三角形?軍配形?ハート形?↓

茎に互い違いに付いています。

実は次第に膨らんで、2つに割れて種子をばらまくそうです。

また、3月くらいまでの若い菜は食用になるそうです。

北海道~奄美・琉球に分布します。

アブラナ科の植物です。

水仙考

きょうは2月にしては珍しく、朝からたくさん雨が降りました。
水が好きな水仙をお届けしましょう。

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これは熊谷守一 の「水仙」という作品です。
1956年(昭和31年)

シンプルな中にも6枚の花びら、葉先が丸くなっているところなど、
特徴が正しく捉えられていて好ましく思います。
水仙が投げ入れられているガラスっぽいコップ?の色使い、また、
画面の配置にやはり画家らしいセンスを感じます。

水仙の最も古い絵は、ギリシャ神話で有名なミノス王の宮殿
クノッソスの壁画とのことです。

さて、水仙はもともと中国から伝わったものですが、日本各地の
海岸に野生化したらしいです。
そして、あまり花が美しいので昔から庭に植えたり、お花屋さんで
売るようになったのです。

水仙は美しい花ですが、実ができません。
知っていましたか?
だから種もできません。
土の中にある鱗茎と呼ぶ丸い球が分かれて増えます。

鱗茎とは?
私たちが食べている玉ねぎもラッキョウも、鱗茎を食べているのです。
花が咲いても実ができないのは、雌しべや雄しべが不完全なためです。
ところが、蜜柑や柿は花が咲いて実はできますが、それに種が入って
ないのがよくありますね。
ことに蜜柑は種がないのが普通とされてますよね。

植物はモモや梨や林檎のように、花が咲いて実ができ、
その中に種があるのがあたりまえなのです。

そこで蜜柑や柿のように、種なしの実は食用としては賞賛されて
いますが、これでは植物は仲間を増やすことができなくなります。
これらの植物では、挿し木や接木で仲間を増やしているのです。

元に戻って、水仙は種がなくても鱗茎によって仲間を増やす
ことができるので、花は種を作る必要がなくなり、形だけは完全に
見えますが、実際は無駄花になっているのです。

ジャガイモもやはり花が咲いて実も種もできない植物の一つです。
その理由もまた、水仙と同じで、人が食べる部分、即ち塊茎と
いうものによって仲間を増やすことができるからです。

美術から理科の話になってしまいましたので、このへんで・・ヾ(^^;)

水仙図

今、部屋の中は房総半島から来たストックと実家の庭からから来た
水仙の香りで春爛漫です~♪
水仙はまたの名を雪中花(せっちゅうか)とも呼ばれますが、
まさにそのとおりですね。
先日、雪が積もった時も、庭で蕾のまま雪を被り、じっと健気に
耐えているようでした。
水仙は、江戸時代には房総半島で栽培が始まり、舟で江戸に運ばれて、
厳寒に耐えて咲く縁起の良い花として、町屋や武家の正月を飾った
そうです。
また、水仙は仙人すなわち長寿に通じる縁起の良い花でもあるそうです。

さて、きょうお届けするのは、速水御舟の「水仙図」です。
1925年(大正14年)の作品です。

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正面を向いた花と真横を向いた花がうまく画面に配置され、周りの
澄んだ冷たい空気の中に、水仙の凛としたたたずまいが感じられます。
と、ともに、葉などの表現にぼかしが利いていて、今にも葉が打ち
震えそうな気配も感じられませんか?
水仙の生命が宿っているような、そんな気がします。

御舟は40才で亡くなりましたが、この作品は30才の作品ということです。