カタクリ その2

きのう、岐阜の木曽川縁の300メートル程の山に登ってきました。
山頂まで行きましたが、春霞の中、残念ながら遠くの山々の姿は
はっきり見えませんでした。
山裾にカタクリの群生地がありました。

「カタクリ」は早春にほかの草木に先駆けて芽生え花を咲かせると、
他の植物が大きくなる初夏には休眠に入ってしまう、いわゆる
「スプリングエフェメラル」のひとつです。
「スプリングエフェメラル」の例→フクジュソウセツブンソウ

カタクリはここ名古屋近辺では3月25日過ぎから見頃になります。
10日から2週間程で見頃は過ぎ、それから葉は枯れるのではなく、
溶けるようになくなってしまうのです。

開花寸前の蕾↓

(それぞれの写真内をクリックすると大きい画面に変わります。)

平開した花↓

満開の花↓。はじめ短かった雌しべが伸びてきています。
反り返るのは日中の陽射しがある時で、夕方には傘のように閉じます。

カタクリの花は外側に3枚、内側には3枚の計6枚の花びらから
なっています。
さらに、先が3つに分かれた雌しべと、それを取り囲む6本の
雄しべからなっています。

花の付け根には濃い紫色のW字型の模様があります。

厚くて軟らかい葉は長楕円形や卵形で、開花株では2枚、
まだ花が咲かない株では1枚付きます。

北海道、本州、四国、九州に分布します。
が、四国や九州では稀だそうです。

きのうのカタクリはもう既にピークは過ぎているようでしたが、
まだ、元気な花もあって間に合ってよかったです。
この自生地には3年越しでやっと見に行けました。
地元の方々が保護、お世話して下さるおかげですね。
感謝(^人^)の一日でした。

過去記事はこちら→カタクリ

リョウメンシダ

今朝は雲が厚く、やはり雨が降ってきてしまったので、
桜の開花も足踏み状態。

さて、きょうは「リョウメンシダ」をお届けします。
山地の林内、特に杉の林内に群生することが多く、
やや湿地を好む大型のシダです。

(それぞれの写真内をクリックすると大きい画面に変わります。)

胞子嚢がついていない葉が、表も裏も同じような質感の
シダなので、両面羊歯と名付けられました。

軸に溝があるほうが表です。↓

切れ込みが細かくとても綺麗な常緑シダです。
葉は柔らかくレースのような繊細な造形のシダ。
アップで(表)↓

次の写真は・・
裏面↓

葉裏に付いている胞子嚢。
左から右に伸びている葉の裏です。 リョウメンシダでは胞子嚢群
(=ソーラス)は葉面の中心部の中部以下につく性質があり、
右の部分は胞子嚢群が付いていません。↓

リョウメンシダの胞子嚢群は、胞子が成熟するまでは円腎形の包膜に
覆われていますが、この写真ではわかりにくいですが、
胞子嚢群を覆って保護していた包膜が縮れて、胞子嚢群が
出かかっています。↓

胞膜が破れて出た粒々の胞子↓

北海道、本州、四国、九州に分布します。
が、瀬戸内海沿岸地域など、乾燥する地域では少ないそうです。

オシダ科の植物です。

イヌガヤ その2

きょうは花曇りでしたが、サクラやシデコブシなどの街路樹の花が
咲き、にぎやかでした。
また、ベランダの手摺にベニシジミが翅を広げて日光浴に来ました。

さて、先日アップしたイヌガヤ、きょうはその気孔帯や雄花に付いて
紹介したいと思います。

(それぞれの写真内をクリックすると大きい画面に変わります。)

イヌガヤの葉は長さ 3~5センチ程。
葉裏は淡緑色で、主脈の両側に2本の白い太い気孔帯があります。

3~4月は直径1センチ程の小さなカリフラワーのような雄花が
いっぱい付いていました。

過去記事はこちら→
イヌガヤ