ケンポナシ

玄関のユキノシタ
センリョウの花が元気
に咲いています。
そういえば、きょうから6月、某TVのキャスターもノータイ姿でした。

さて、きょうは・・瀬戸の里山で出逢った「ケンポナシ」を
お届けします。
途中で筑波山の植物をはさんだので、掲載が遅くなりました。
4月中旬に出逢った植物です(^^;)

砂防堰堤に登ろうとして、手をついた先にいきなりこれが・・↓

(それぞれの写真内をクリックすると大きい画面に変わります。)

え~っ?!こんな変わった姿のもの、今までみたことない・・(汗)
何やら焦げて黒っぽくなった怪しげな外見・・。
連れ合いに見せたら、「あ、アレだ!」「図鑑で見た、アレ!」
私:「アレって?」  連れ合い:「アレ!アレだがね~(名古屋弁)」
相手も興奮気味。
ちょっとして「ケンポナシかも?!」とのたまう。
「初めて実物見た~!」と感激しつつ、いきなりかじり、ニンマリ(^m^)
「やっぱ、まちがいない!食べてみぃ~」というのです。
でも、食欲をそそる形や色合いでもなし・・(汗)
恐る恐る味見したところ、梨というより、干し柿のようなお味!
「甘い~♪!」 「だろっ!」
「へー?!は~じめて食べた、い~ま食べた~♪(*^^)v」
我に返って周囲を見渡すと数本落ちていました。
並べて(≧[◎]oパチリ↓

頭上を見ると、木(ケンポナシの木ではない)の枝にも1本
引っかかっていました。↓

ズームしてみると・・
何だか面白い形↓

逆光でシルエットになってしまいました。
堰堤を離れ、林の中を行くと、そこにも落ちていました。↓

写真の上の方の径7ミリ程の白っぽいものが実ですが、
甘味があって食べられる部位は果柄で、実の下の
少し膨らんだ所です。
果柄はかなり乾燥して、皺が寄ってきた状態です。
茶色の奇妙な形をしたものが肉質化した「果柄」です。

あとさきになりましたが、ここで名の由来を・・。
一般に「玄圃梨」と書きますが諸説あり。
膨らんで奇妙に曲がったケンポナシのことをを中国では
「癩漢指頭」(らいかんしとう)と呼ぶそうです。
これは癩病(らいびょう・ハンセン病)を患い曲がった指という
意味だそうです。
50年くらい前の日本では、癩病や火傷で変形した指、腕のない
不具者などを指して「てんぼう」と呼んでいた時代もありました。
また、野口英世が幼少時に囲炉裏で手に大火傷を負い、指が癒着
してしまい、友達から「てんぼう清作」(清作とは英世の幼名)と、
からかわれたのは有名な話ですね。
私も小学生の頃、偉人伝で読みました。
「てんぼう」は「手棒」、手が棒のようになった状態を指し、
この「手棒梨」(テンボウナシ)が転訛して「ケンポナシ」になった
とされます。

暖帯に生える高木で、花の時期は6-7月。
花にも出逢えたらいいなぁ。

北海道(奥尻島)以南、本州、四国、九州に分布します。

クロウメモドキ科の植物です。

(おまけ)果柄部の抽出液には、口臭やアルコール臭を除去する
効果があり、市販チューインガムの添加物としても使われています。
2段目、真ん中あたりに↓「ケンポナシ抽出物」と記載されています。

また、手軽に飲めるペットボトルタイプのケンポナシ茶も市販されて
いるようです。

シロダモ

きょうは青空が広がり気温も二桁となり、過ごしやすい
日となりました。

さて、また島の植物の続き・・とまいります。
きょうは「シロダモ」をお届けしたいと思います。
別名をシロタブと言い、タブノキに似るが、葉の裏が
白いためシロタブと呼ばれ、それが転訛してシロダモと
なったようです。

暖地の山野に普通に見られますが、特に沿海地に多いです。
これも砂浜から少し入った林で見つけました。
ヒヨドリジョウゴやサルトリイバラの実も見られました。
シロダモは常緑高木で高さは10~15メートル程になります。
やや光沢のある葉は互い違いに付き、葉は長さ12センチ程、
幅6センチ程の長楕円形、先は尖っています。
クスノキ科の特徴であるはっきりした3主脈が見てとれ、
葉裏は白っぽかったです。

雌雄異株です。

実は長さ1センチ余の楕円形で、翌年の秋に赤く熟します。
この島は風の島と言われているようですが、さもありなん・・
またもや風が吹き、ブレた写真になりすみません。↓

(写真内をクリックすると大きい画面に変わります。)

年も越して乾燥が進んだのか、実をよく見ると果皮にシワが
出ているようです。

今回は花と実のコラボ写真は撮れず残念でしたが、
10~11月頃、黄褐色の花が咲くと同時に、前の年に咲いた
花からできた実が赤くなり、同じ時期に花と実を両方見る
ことができるのが特徴のようです。
体力のある植物ですね~。

食物の少なくなる冬に赤い実を付けることから、
鳥にとって有り難い植物ですね。

本州(宮城県以西)、四国、九州、沖縄に分布します。

クスノキ科の植物です。

関連記事→タブノキの紋様

来月もまだ・・島の植物紀行は続きますヨ~\(^-^)/

ハスノハカズラの実

今朝、起きたら一面の銀世界~!
ここ名古屋では9センチ程の積雪がありました。
こちらで9センチとは久しぶりの大雪でした。

さて、島の探検の続きです。
フウトウカズラの実を探していた時、フウトウカズラの群落に
ハスノハカズラのつるを見つけました。

(それぞれの写真内をクリックすると大きい画面に変わります。)

常緑のつる性植物です。
少しだけですが、実が付いていました。
終わりがけの実かな?
「蓮の葉葛」と書き、葉がハスの葉に似ることから
名付けられました。
でも一番のポイントは、このように葉柄が葉に”盾付き”
していることです。↓

葉柄は普通、葉の端に付いていることが多いですが、
“盾付き”とは葉裏の中央寄りに葉柄が付くことです。

ちなみに蓮の葉は傘のように真ん中に葉柄が付いています。

ハスノハカズラの葉柄は長さ4~12センチ程です。

三角状卵形の葉は互い違いに付き、長さ5~12センチ、
幅4~10センチ程です。

葉裏はやや白っぽいです。

雌雄異株です。

東海地方以西~琉球の海岸沿いの山地に生えます。

ツヅラフジ科の植物です。

おまけ:”盾付き”の植物→ハスサトイモ
イシミカワ
ヤブレガサ
ジュンサイ、ハスノハギリ、ハリブキ、コウモリカズラ、サンカヨウ、
オオバギ、ヤワタソウ、ワタナベソウ、オニバス、
ハスノハイチゴ